2006年04月14日

中国の軍事戦略

 中国共産党政府が発信する声明などは、一見、平和的外交を目指しているもののように聞こえるが、それが根本的にどのような思想に基づいて或はどのような定義を前提としているかを深慮して解釈する必要があります。
 その根本的な思想は、言うまでもなく歴史上連綿と続く「華夷秩序」に基づく覇権拡張主義でしょう。
関連記事は「観天望気」さんの中国の国家戦略もご参照下さい。

伊藤貫著
「中国の核が世界を制す」
を見てみましょう。
引用開始

中国の軍事戦略
 
2004年版のペンタゴンの「中国の軍事力レポート」によれば、中国の軍事戦略は四つの機能を果たすことを任務としているという。その機能とは、
1,中国の領土・領海・領空を守る
2,中国の経済利益を守る
3,中国の政治的影響力を強化する
4,中国がアジア地域において、傑出した大国としての地位を確保する

 人民解放軍のこれら四つの機能は、周辺諸国にとって問題の多いものである。
 最初の「領土・領海・領空を守る」という任務は、一見するとリーズナブルなもののように見える。
 しかし、中国政府は、「自国沿岸から200海里までを自国が管轄する領海であり領空である」と主張しており、「黄海・東シナ海・南シナ海は、すべて中国の歴史的領海である」という立場である。これは周辺諸国の立場からすると、中国海空軍の「自衛のために領海・領空を防衛する行為」が、「近隣諸国の領海・領空を窃取して、中国支配圏を拡大していく行為」と同一のものであることを意味する。
 人民解放軍の「領土・領海・領空を守る」という「自衛行為」は、一般の日本人が考えるような「領土防衛行為」とは全く違った意味をもつ行為なのである。

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posted by 小楠 at 08:53| Comment(4) | TrackBack(0) | 書棚の中の日中関係

2006年04月13日

日本の核抑止力

自国を独自で守れない、スパイ防止法もない特殊な国日本。脅威となっている中国に援助を与えてきた国民無視の国。何を言われても毅然と反論しない国。日本は他国から見たら、非常に扱いやすい(馬鹿にされやすい)国でしょう。大事なことは、これが多数の国民の意志ではないと思われるのに、国民の代表選挙になると、このような為政者を選んでいるということではないでしょうか

伊藤貫著
「中国の核が世界を制す」
の引用です。
引用開始

日本の核抑止力「自主的な核抑止力の構築」か「中華帝国の属領」か。
シカゴ大学のミアシャイマー教授は、日本人が今後、中国覇権の支配下に入ることを拒否したいならば、「日本は、自主的な核抑止力をもたざるをえない」と分析している。アジアにおけるアメリカの覇権が徐々に弱体化していき、アメリカの軍事力に頼っているだけでは日本が独立国として存在することが困難であることが、今後ますます明らかになってくる、と彼は考えているからである。・・・
過去六十年間、単純な対米依存主義を唱えてきた日本人ですら、今後は「自分の国は自分で守るしかない」という当たり前のロジックに気がつくようになり、「自主的な核抑止力を整備するようになる」とミアシャイマーは考える。・・・
マーク・カーク議員(連邦下院軍事委メンバー、共和党)も、「アメリカは、世界中のどの国と戦争をしても勝てる、というわけではない。アメリカは核武装したロシアや中国と戦争するわけにはいかない。今後、中国の軍事力は強大化していくから、アメリカが中国と戦争するということは、ますます非現実的なものとなる。

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posted by 小楠 at 07:55| Comment(5) | TrackBack(0) | 書棚の中の日中関係

2006年04月12日

対中国補助金の行方

今回の記事に関連して、少し・・ 
 昨晩のチャンネル桜で、「グリーンピア南紀」の件が話題になっていました。我々の年金資金約122億円をかけて造られたこの保養施設は、土地360ヘクタール(1,089,000坪)のうち那智勝浦側の約300ヘクタール分を1億6000万円の賃貸契約で、10年後に無償譲渡の条件で中国系リゾート会社「BOAO(ボアオ、蒋暁松会長)」に引き渡たされました。他にも24団体から打診があり、10数億円規模のオファーがあったにも拘わらず中国へです。
 その蒋と那智勝浦町長の中村詔二郎は、賃貸借契約書の署名をなんと、経産省の大臣応接室で行った。たまたま二階と蒋会長が懇談中ということで、町長が出向いたということである。参院議員の大江康弘氏がこのことを参議院予算委員会で、問題として取り上げたということです。
これに関しては満州大連(支那東北)から日本東北は会津へさんをご覧下さい。

対中国補助金の行方
関連記事、カピタンさんの中国の国家戦略をご参照下さい。
伊藤貫著
「中国の核が世界を制す」
から。
引用開始

 CIA・国務省・国防総省の高官として、長期間、中国政策決定に参加したリリー元中国大使は、「中国はラオスとビルマをまず支配し、それからこれら諸国を使って、東南アジア地域を中国の支配下に置こうとしている。東南アジアの華僑は、中国共産党のエージェントとして働き、中国の勢力圏拡大工作を助けている」と語る。
 さらにリリー大使は、「中国は、東南アジア地域における反日運動を煽動している。日本の評判を悪化させることによって、これら諸国に対する中国の影響力を強化しようとしている」と述べ、中国政府の執拗な反日プロパガンダ「日本は反省していない! 一度も謝罪していない! 賠償していない! 日本の軍国主義が復活した!」等々が、東南アジア地域における中国の勢力拡大工作の道具として使用されていることを指摘する。
 皮肉なことに、中国共産党がメコン川流域の経済開発・軍事協力でリーダーシップを執り、この地域を中華勢力圏に編入しようとする外交工作に対して、日本の納税者は多額の補助金を出している。

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posted by 小楠 at 08:06| Comment(2) | TrackBack(4) | 書棚の中の日中関係

2006年04月11日

米中石油戦争

 中国が盛んに行っている海洋調査がどんな目的であるのか。日本では単発的な外洋調査のような報道しかされないため、彼らの究極目的が、中国を中心とした東アジア覇権であることを知らされない日本人には、危機感がなく、効果的な対応策は皆無に等しいのが現状ではないでしょうか。

続けて伊藤貫著
「中国の核が世界を制する」からの引用をします。
引用開始

米中石油戦争
 中国政府は、将来、石油へのアクセスをめぐってアメリカと戦争する可能性を真剣に考慮して中国の軍事戦略を立案している。最近十年間の中国海軍の大規模な増強、核ミサイル・核弾頭の新世代システムへの移行、米国の軍事衛星を破壊するためのミサイルとレーザー兵器の開発等は、すべて、中国が将来アメリカと戦争する可能性を考慮した軍備増強である。
 また中国政府は、戦前のアメリカが日本に対して実行したような石油禁輸措置を、現在の中国に対して発動する可能性を真剣に検討している。そのため中国は、米海軍に突然石油禁輸措置をとられた場合に、中国の経済活動を維持し、中国軍が三ヶ月以上の対米戦争を継続する能力を保つため、大規模な戦略的石油備蓄施設を2005年から建設し始めた。
・・・略・・・
 中国海軍が、日本にとって死活的に重要なホルムズ海峡から台湾海峡までのシーレーンを支配する可能性も、2025年頃には現実的なものとなるかもしれない。・・・
 中国政府は常に二十年先、三十年先のことまで考えて、軍備拡張プランを立案している。「復讐心を維持し、自らの能力を隠し、じっとチャンスを待つ」中国政府は、辛抱強くて用意周到である。

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posted by 小楠 at 07:51| Comment(4) | TrackBack(0) | 書棚の中の日中関係

2006年04月10日

中国の外交目標

 中国の対日外交戦略は、毛沢東時代からのアメリカとの密約が今もそのまま受け継がれている。厄介なのは、アメリカ民主党だけでなく、共和党にも、表向きは日本に核抑止力を持たせないという姿勢があることです。
 加えて、日本の親中派議員、マスコミ、外務省チャイナ・スクール等が、
中国のプロパガンダを鵜呑みにして、国内政治に持ち込んでいることでしょう。

再び伊藤貫著
「中国の核が世界を制する」からの引用をします。
引用開始

中国の外交目標
1,2020年頃まで、アメリカ政府と本格的に衝突することを避け現在の(中国にとって非常に有利な)国際経済システムを壊さないように努力する。
 CIAとペンタゴンが入手した中国政府の内部文書によれば、中国政府官僚と外交戦略家は「2020年頃まで現在のような経済発展と軍事力増強を続ければ、中国はアメリカに対応しうる国力を蓄積できる」と分析しているという。

2,アメリカの政治家・官僚・学者・マスコミに対して、「中国は、今後もアメリカと覇権競争をするつもりがない」ことを繰り返し宣伝し、米国政府が「中国封じ込め」戦略を実施する時期を遅らせる。

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posted by 小楠 at 07:52| Comment(2) | TrackBack(1) | 書棚の中の日中関係

2006年04月07日

中国の民主化は不可

 中国は世界に向けては民主化を装っていますが、これもお得意の嘘です。民主化=共産党独裁の崩壊を意味します。それどころか現在は過去の一時期よりも、より独裁化が進んでいるように思えます。法治国家などではなく、その時々の共産党幹部の都合が最重視される人治国家です。こんな国とはまともな外交はできません。
続いて、伊藤貫著
「中国の核が世界を制す」から引用します。

引用開始
中国民主化阻止の理由1

 中国経済が繁栄すれば、中国の政治は本当に民主化していくのだろうか?1981〜2005年の中国経済は、年平均9%の高率で成長し続けた。しかし25年間続いた中国経済の高成長は、政治の自由化と民主化につながらなかった。
・・・略・・・
 中国の統治者たちは過去2500年間、法治主義・権力の分立・学問の自由・言論の自由・司法権の独立・基本的人権の遵守、等の政治ルールを一度も実践してこなかった。
 現在の中国政府の政治道徳は、第三世界の途上国と同レベルにある。中国共産党は、自国民の大量虐殺を続けるスーダン、ウガンダ、ルワンダ、エチオピア、ジンバブエ、アンゴラ等のアフリカ独裁諸国と、緊密な協力関係を維持している。人民解放軍は、ジェノサイド(民族大量殺害)を実行中のアフリカ諸国の軍隊に、大量の武器・弾薬を供給している。
・・・略・・・

中国民主化阻止の理由2

 政治道徳の欠如に加えて、現在の中国共産党が多民族帝国を維持しようと固く決意していることも、中国が自由化・民主化されない理由である。
 共産党独裁下の中国に住むのは、漢民族だけではない。満州人(女真族)、朝鮮人、蒙古人、チベット人、ウイグル人、キルギス人等も、中国共産党の独裁下にある。
 1919年のヴェルサイユ会議から1945年の「抗日戦勝利」まで、漢民族は常に「民族自決」の権利を振りかざして、日本の帝国主義を激しく非難してきた。
 しかし1949年以降、漢民族は、彼らの支配下にある少数民族の民族自決権を土足で踏みにじってきた。
中国政府は21世紀になっても、満州人、蒙古人、チベット人、ウイグル人等の民族自決権を認めるつもりはない。
 もし中国の政治が自由化・民主化されれば、これらの少数民族は「言論の自由」と「政治活動の自由」を活用して、民族自決と民族自治を要求するようになる。中国からの独立運動も始まるだろう。漢民族が日本の帝国主義を嫌悪したように、これらの少数民族も、漢民族の帝国主義を嫌悪している。しかも中国にとって都合の悪いことに、中国人口の約一割にすぎないこれら少数民族は、現在の中国領土の約六割を占める領域に住んでいる。もしこれら少数民族の独立を許せば、漢民族は半分以上の領土を失ってしまうことになってしまう。

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posted by 小楠 at 08:28| Comment(5) | TrackBack(1) | 書棚の中の日中関係