2006年06月12日

尾崎秀実の手記

 「大東亜戦争とスターリンの謀略」三田村武夫著の中にある資料集から、ゾルゲ事件で有名な尾崎秀実の手記の一部を掲載してみます。
 この本は昭和25年初刷ですが、当時は『戦争と共産主義』という題でした。勿論当初は発禁であったようです。

 引用開始
 コミンテルン即ち国際共産党はロシア革命の成功に伴い誕生したもので、・・・略・・・世界各国の共産主義者の参加を得て1919年3月モスコーにおいて第三インターナショナルを結成しこれが現在のコミンテルンであり、その本部をモスコーに置き、各国の共産党を支部として傘下に収めております。
 コミンテルンは世界革命を遂行して世界共産主義社会の実現を目的とする共産主義者の国際的組織であります。・・・略・・・
 現にその日本支部たる日本共産党に対しても昭和二年のいわゆる二十七年「テーゼ」、昭和七年のいわゆる三十二年「テーゼ」などその他をもって日本に到来すべき革命の性質を規定し日本に来るべき革命はブルジョア民主主義革命でその革命は急速にプロレタリア革命に転化するものとしあるいは革命の性質は急速にプロレタリア革命に成長するブルジョア民主主義革命なりとして、天皇制の打倒をスローガンとすることを規定しております。従ってコミンテルンは世界革命の一環として我が国においても共産主義革命を遂行してわが国体を変革し、私有財産制度を廃止しプロレタリア独裁を樹立しこの過程を通じて共産主義社会を実現せんとするものであることは勿論であります。・・・略・・・
 コミンテルンの政策はソ連政府の国際政策に強く支配されているばかりでなく自主的にもその世界革命完成の目的のためにその中心をなす唯一の現有勢力たるソ連国家を守りその存在を維持するための政策をとらざるを得ないのであります・・・略・・・
 吾々のグループの目的任務は特にゾルゲから聞いた訳ではありませぬが私の理解する所では広義にコミンテルンの目指す世界共産主義革命遂行のため日本における革命情勢の進展とこれに対する反革命の勢力関係の現実を正確に把握し得る種類の情報ならびにこれに関する正確なる意見をモスコーに諜報することにあり、狭義には世界共産主義革命遂行上最も重要にしてその支柱たるソ連を日本帝国主義より防衛するため日本の国内情勢特に政治経済外交軍事等の諸情勢を正確且つ迅速に報道し且つ意見を申し送って、ソ連防衛の資料たらしめるにあるのであります従ってこの目的のためにはあらゆる国家の秘密をも探知しなければならないのでありまして、政治外交等に関する国家の重大な秘密を探り出すことは最も重要な任務として課せられているのであります。
・・・略・・・
 
 昭和九年の晩春、奈良公園内の指定の場所でゾルゲと再会したのであります。その際ゾルゲから日本における諜報活動に協力方を依頼されたので私は再びゾルゲと共に諜報活動をなす決意をし同人の申込みを快諾して爾来検挙に至るまでの間諜報任務に従事してきた次第であります。
引用おわり。

 この本に対しての書評の中から少し引用しておきます。
 元東京朝日新聞社会部長で尾崎が入社当時の上司
 リーダーズ・ダイジェスト日本支社長 鈴木文史朗氏

 三田村君が多年の研究により書いた『戦争と共産主義』は今この時期に、日本国民に示唆するところが非常に多い。この書の中に記録されている尾崎グループの中には、免れて恥無き何人かがいはしないか。彼らがいわゆる同伴者でなかったとしても、一尾崎に物の見事に駆使されていたわけである。現在の日本には、第二、第三の尾崎がうようよしているように思われる。また、第二、第三の尾崎に駆使されている学者や新聞記者も少なくないようだ。

 元首相 岸信介氏
 読むほどに、私は、思わず、ウーンと唸ることしばしばであった。
 支那事変を長期化させ、日支和平の芽をつぶし、日本をして対ソ戦略から、対米英仏蘭の南進戦略に転換させて、遂に大東亜戦争を引き起こさせた張本人は、ソ連のスターリンが指導するコミンテルンであり、日本国内で巧妙にこれを誘導したのが、共産主義者、尾崎秀実であった、ということが、実に赤裸々に描写されているではないか。・・・略・・・
 今、思うに、東京裁判の被告席に座るべき真の戦争犯罪人は、スターリンでなければならない。>然るに、このスターリンの部下が、東京裁判の検事となり、判事をつとめたのだから、まことに茶番というほかない。
 この本を読めば、共産主義がいかに右翼・軍部を自家薬籠中のものにしたかがよく判る。何故それが出来たのか、誰しも疑問に思うところであろう。しかし、考えてみれば、本来この両者(右翼と左翼)は、共に全体主義であり、一党独裁・計画経済を基本としている点では同類である。
引用終わり。

 共産主義者にとって、日本を敗戦に追い込むことは共産革命実現の条件であり、コミンテルンの指示でした。日本共産党も尾崎もソ連の言いなりになって、まず日本の破壊を企んでいたということが判ります。
posted by 小楠 at 08:14| Comment(6) | TrackBack(0) | 書棚の中の戦争
この記事へのコメント
以前、小楠さんから頂いた三田村武夫著「大東亜戦争とスターリンの謀略」読むほどにコミンテルンの世界戦略に脅威を感じたものです。そしてコミンテルンの日本支部として設立された日本共産党。今も日本に共産思想を広めようと活動している現実を国民はもっと良く知るべきですね。
ところで、2005年02月08日開設以来、新しい日本像を求め政治ニュースを中心に頑張ってきたプログ「観天望気」ですが、勝手ながら本日をもって閉鎖することにしました。いままでのご協力に深く感謝申し上げます。尚、過去記事は全て「ダイジェスト版」に収録されていますので、必要記事などあれば御参照下さい。小楠さんの「反日ワクチン。楽しみにしています。有難うございました。
Posted by カピタン at 2006年06月12日 16:37
あれれ、どうかされましたか?
何かお忙しくなるようなことでも?
私はカピタンさんに刺激されて始めた
ので、何となく寂しいですねー。
またそのうち再開もあるんでしょうか。
Posted by 小楠 at 2006年06月12日 17:30
世界の共産主義者は階級闘争の敵を憎むが、祖国に対しては愛国者であるのが常例だと最近読んだ本に書いてありました。
では、祖国を憎み、祖国の歴史を罵り、国民を軽侮する共産主義者がいる例外中の例外の国はどこ?
……全く、困ったものです。

Posted by sfZ at 2006年06月12日 19:35
>>例外中の例外の国はどこ?

ねっ、何処でしょうねー。本人達が一番よく知りながら利権を手放したくないのでしょう。
全く人間とも思えない輩です。
Posted by 小楠 at 2006年06月12日 21:01
>祖国に対しては愛国者であるのが常例

愛国的な共産主義者を発見して衝撃を受ける人もいるようですが、
不思議にも某国では「左翼=売国奴」の方程式が当てはまる割合が高い気がします。

戦前からの傾向なのか、戦後からの傾向なのか。普遍的にそうなのか、例外的なケースなのか。結構調べてみたら面白そうですね。
Posted by 何某 at 2006年06月13日 22:36
>>某国では「左翼=売国奴」、結構調べてみたら面白そうですね。

確かにその通りですね。愛国者であっても、どの国に対する愛国者なのか、とにかく自由過ぎる日本でしかできない捻くれをやってるように思えます。
Posted by 小楠 at 2006年06月14日 08:20
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