2006年05月29日

第二次大戦に勝者なし2

「第二次大戦に勝者なし」ウェデマイヤー回想録より。
 ウェデマイヤー回想録では、欧州戦線も詳細に記述されており、第二次世界大戦の全体像がよくわかります。やはりアメリカ、イギリスの主眼はヒトラーとドイツの抹殺であり、世界の平和実現というのは結果から見ても全く偽善としか思えません。
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引用は(上)巻からです。
真珠湾攻撃の真相2
 ルーズベルトはアメリカ国民が参戦反対であるのに、なんとかしてアメリカ国民を戦争に介入させよう、と決心していた。
 武器貸与法(1941年3月成立)から1941年8月の大西洋会談にいたる間、ルーズベルトは戦時国際法の中立違反や、アメリカの議会、国民の意志とは反対の行動をとって、あるときは堂々と正面からやるかと思えば、あるいは裏面工作を行った。
 たとえば、イギリスを援助するためにアメリカがとった<戦争一歩手前>の行動につづいて、「独伊の適性軍を攻撃撃破すべし」と、アメリカ大西洋艦隊あての1941年8月25日付け秘密命令が発せられた。この秘密命令は、大西洋会談の二週間後に出されたものである。この会談において、ルーズベルトは「余は宣戦しないかも知れないが、戦争はするかも知れない。もし、議会に宣戦するようにと要請すれば、彼らはそれについて三ヶ月も議論するかもしれない」と述べている。
 アメリカ駆逐艦がドイツ潜水艦を攻撃したグリア号事件ののち、ルーズベルトは9月11日、「ドイツ潜水艦は見つけ次第攻撃せよ」という演説を行った。彼はこの演説で、ドイツ潜水艦と通商破壊艦を<ガラガラヘビ>ときめつけ「ガラガラヘビがカマ首を持ち上げるのを見つけたら、飛び掛るのを待つまでもなく、直ちにたたきつぶせ」と述べ「今後、独伊の艦船でアメリカの設定した防衛水域に立ち入るものは、それによってこうむる損害は彼ら自身の責任である」と言明している。

 もしヒトラーが、アメリカの戦争挑発行為に乗ぜられないように、確固たる態度をとっていなかったなら、アメリカは日本の真珠湾攻撃の数ヶ月前に、公然と戦争に介入していたであろう・・・略・・・
 これに反してルーズベルトは、将来、アメリカが攻撃されるという恐怖を持ち出して、議会を自分のかたよった行動に合致するように指導した。
 アメリカ国民はニュールンベルグ軍事裁判のさい、ドイツの秘密文書を徹底的に調べた結果、ドイツはアメリカ攻撃計画をなんら持っていなかったことを承知している。アメリカ攻撃どころか、ヒトラーはアメリカとの戦争を回避するために、全力を尽くしていたことが判明している。・・・略・・・
 ルーズベルトは、ドイツの対米宣戦をさせようとした極端な挑発行動も失敗し、アメリカ国民の大多数の参戦反対の決意も固く、アメリカ議会で宣戦布告の同意が得られる見通しもなかったので、彼は目を太平洋に転じた。実際、日本を強制して対米宣戦を布告させるよう、外交的、経済的に日本を圧迫することは可能な状況であったので、もしそうするならば、日本はドイツほど、がまんづよくないと思われた。
 これに対し日本は、その存在を危機にさらさずには後退できないまでに、あまりにも深く日中事変に突入していた。アメリカは、日本が面目をつぶさない限り現に保持している地点から撤退できない、という妥協の余地のまったくない提案を日本側におしつけた。
 1941年7月26日、ルーズベルトは日本に対して経済的な制裁を加えたが、この制裁は、日中事変の勃発当初であったなら中国を助けたかも知れなかったが、1941年7月では、もはや中国にとってなんの利益にもならなかった。
いまや、こうした制裁は、中国を援助するためではなく、日本を戦争に挑発するためであり、イギリスの勢力を維持するために、どうしたらアメリカを参戦させられるかという、ルーズベルトのジレンマを解決するために使用されていた。
 ルーズベルトは、彼がイギリスと結んだ秘密の約束事項については、アメリカ議会にも国民一般にも少しも報告していなかった。そのやり方は、他の国のどの独裁者にも負けないくらい巧妙であった。このイギリスとの秘密の約束は、アメリカ国民をヨーロッパ戦争にはまきこまないという、ルーズベルトの選挙公約を信じて、彼をアメリカ大統領に選んだ多数の選挙民の意志と希望を踏みにじるものであった。
引用終わり

 ドイツの抹殺とイギリスの植民地権益を守るため、何とかして欧州戦争に参加しようとするルーズベルトは、ドイツへの挑発行為が失敗すると、今度はドイツの同盟国である日本を追い詰めて、やっとその目標達成します。アメリカの参戦が裏口からの参戦といわれるのは、ルーズベルトの主眼が欧州戦線への参戦であることを物語っています。
posted by 小楠 at 07:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 書棚の中の戦争
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