2007年10月30日

ポツダム宣言の確認

ポツダム宣言の内容

 いつもお読み頂いて有難うございます。今週の木曜日からは東京裁判で却下または未提出の破目となった弁護側の資料を掲載する予定ですが、その前に、是非前知識として「ポツダム宣言」と「降伏文書」の内容を再度確認しておく必要があると考えますので、ご存知の方には不必要かも知れませんが、念のため今日、明日でこの二つの文書を掲載しておこうと思います。その理由は、戦後レジームの原因と考えているものに、ポツダム宣言の誤釈があるように思うからです。最大の原因と思われる東京裁判、GHQの政策にも密に関わるこの二つの文書を、少し読みやすくして掲載しておきますので、脱却すべき事項が何であるかを検討される場合に、お役立て頂ければ幸です。先ずはポツダム宣言から。
尚、最も重要と考える第五項だけは、和文、英文の両方を示しておきます。
写真はポツダムのチャーチル、トルーマン、スターリン。この時スターリンはまだ宣言には参加していません。
potsdam.jpg

米、英、華三国宣言(1945年7月26日「ポツダム」に於て)

1、吾等合衆国大統領、中華民国政府主席及び「グレート・ブリテン」国総理大臣は吾等の数億の国民を代表し協議の上日本国に対し今次の戦争を終結するの機会を与うることに意見一致せり

2、合衆国、英帝国及び中華民国の巨大なる陸、海、空軍は西方より自国の陸軍及び空軍に依る数倍の増強を受け日本国に対し最後的打撃を加うるの態勢を整えたり、右軍事力は日本国が抵抗を終止するに至るまで同国に対し戦争を遂行するの一切の聨合国の決意に依り支持せられ且鼓舞せられ居るものなり

3、蹶起せる世界の自由なる人民の力に対する「ドイツ」国の無益且無意義なる抵抗の結果は日本国民に対する先例を極めて明白に示すものなり、現在日本国に対し集結しつつある力は抵抗する「ナチス」に対し適用せられたる場合に於て、全「ドイツ」国人民の土地、産業及び生活様式を必然的に荒廃に帰せしめたる力に比し測り知れざる程度に強大なるものなり、吾等の決意に支持せらるる吾等の軍事力の最高度の使用は日本国軍隊の不可避且完全なる壊滅を意味すべく又同様必然的に日本国本土の完全なる破壊を意味すべし

4、無分別なる打算に依り日本帝国を滅亡の淵に陥れたる我儘なる軍国主義的助言者に依り日本国が引続き統御せらるべきか又は理性の経路を日本国が履むべきかを日本国が決定すべき時期は到来せり

5、吾等の条件は左の如し
吾等は右条件より離脱することなかるべし、右に代わる条件存在せず、吾等は遅延を認むるを得ず

5、(英文)Following are our terms.
We will not deviate from them. There are no alternatives. We shall brook no delay.

6、吾等は無責任なる軍国主義が世界より駆逐せらるるに至るまでは平和、安全及び正義の新秩序が生じ得ざることを主張するものなるを以て日本国国民を欺瞞しこれをして世界征服の挙に出づるの過誤を犯さしめたる者の権力及び勢力は永久に除去せられさるべからず

7、右の如き新秩序が建設せられ且日本国の戦争遂行能力が破砕せられたることの確認あるに至るまでは聨合国の指定すべき日本国領域内の諸地点は吾等の茲に指示する基本的目的の達成確保する為占領せらるべし

8、「カイロ」宣言の条項は履行せらるべく又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに吾等の決定する諸小島に局限せらるべし

9、日本国軍隊は完全に武装を解除せられたる後各自の家庭に復帰し平和的且生産的の生活を営むの機会を得しめらるべし

10、吾等は日本人を民族として奴隷化せんとし又は国民として滅亡せしめんとするの意図を有するものに非ざるも吾等の俘虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を加えらるべし、日本国政府は日本国国民の間に於ける民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障碍を除去すべし、言論、宗教及び思想の自由ならびに基本的人権の尊重は確立せらるべし

11、日本国はその経済を支持し且公正なる実物賠償の取立を可能ならしむるが如き産業を維持することを許さるべし、但し日本国をして戦争の為再軍備を為すことを得しむるが如き産業はこの限りに在らず、右目的の為原料の入手(その支配とはこれを区別す)を許さるべし、日本国は将来世界貿易関係への参加を許さるべし

12、前記諸目的が達成せられ且日本国国民の自由に表明せる意思に従い平和的傾向を有し且責任ある政府が樹立せらるるに於ては聨合国の占領軍は直に日本国より撤収せらるべし

13、吾等は日本国政府が直に全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し且右行動に於ける同政府の誠意に付、適当且充分なる保障を提供せんことを同政府に対し要求す、右以外の日本国の選択は迅速且完全なる壊滅あるのみとす
以上がポツダム宣言です。

 5項で明らかなように、連合国は5項以下で日本国の降伏の条件を示すと規定しています。そして無条件降伏という言葉が使われているのは13項のみで、その対象は全日本国軍隊であることに留意して下さい。
posted by 小楠 at 07:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 書棚の中の東京裁判
この記事へのコメント
 英文でも、和文でも、要するに「以下の条件」を提示すると言うことですね。
 但し、譲歩の余地は無い!と。
 あくまで「戦争」において「戦闘」しているのは「軍隊」だから「軍隊」については「無条件降伏」しろと言うことですね。
 揚げられた「終戦条件」を交渉の余地無く飲むのを「無条件降伏」と勘違いしている人が多いんですね。気分的には手も足出ない状況を憂いて解らぬでは無いですが、ここははっきりとしておかないと言葉が一人歩きしてしまいます。
(現に学校では「無条件降伏した」と教わりました、、)
 
 
Posted by tono at 2007年10月30日 10:14
tono 様
ドイツの場合は政府そのものが崩壊して存在していませんでしたが、日本は政府議会がまだまだ機能していたという大きな違いがありますね。
ルーズベルトが生きていて、あくまで日本国の無条件降伏を目指したら、それこそ最後の一人まで戦うという悲惨な結末となっていたことが十分考えられます。
Posted by 小楠 at 2007年10月30日 10:46
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