2007年01月29日

古事記、天の石屋戸

 ここにはまた神の名が多く出てきますが、続きを考えて、必要な神だけのご紹介に止めます。つづいて有名な天の岩戸のお話となります。
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※神の誓約(うけひ『正邪吉凶などの判断』)生み
 そこで天照大御神が仰せられるには、「では、お前の心の清く明らかなことはどうすれば判るのか」と問われた。それで速須佐之男命が答えて「それぞれ誓約して子を産みましょう」と申し上げた。こうして各々天の安河を中にはさんで誓約する時に、天照大御神が先ず、建速(たけはや)須佐之男命が帯びている十拳剣(とつかつるぎ)を受け取り、これを三つに折り玉の触れ合う音とともに天の真名井(まない『神聖な泉』)に振り濯(すす)いで、何度も噛み砕いて噴出す息の霧から成った神の御名は、・・・・
の三柱。

 速須佐之男命は、天照大御神の左の御みづらに巻かれた長い、多くの勾玉を通した珠を受け取って、玉の音とともに天の真名井に振り濯いで、何度も噛み砕いて噴出す息の霧から成った神の御名は、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)。また右の御みづらに巻かれた珠を受け取って、何度も噛み砕いて噴出す息の霧から成った神の御名は、天之菩卑能命(あまのほひののみこと)である。
・・・・あわせて五柱。

 そこで天照大御神が速須佐之男命に、「この後に生まれた五柱の男子は、自分の持ち物から成ったのであるから、当然我が子である。先に生まれた三柱の女子は、お前の持ち物から成ったのであるから、彼女らはお前の子である」と区別を告げられた。・・・・・
 先に生まれた三柱の神は、宗像君(むなかたのきみ)等があがめ祭っている三座の大神である。

※天の石屋戸(いわやど)
 この時、速須佐之男命が天照大御神に申すには、「私の心が清く明らかな故に、生んだ子はやさしい女の子でした。この証拠にもとづけば私の勝です」と言い、勝に乗じて天照大御神の営田(つくだ『耕作する田』)の畔を壊し、その溝を埋め、また天照大御神が新嘗祭の新穀を召し上がる神殿に、糞を撒き散らした。
 須佐之男命がそのようなことをしても、天照大御神はとがめたてせず、「糞のように見えるのは、我が弟の命が酔っ払って吐き散らしたものであろう。また田の畔を壊し、溝を埋めたのは、我が弟が、土地がもったいないと思ってしたことであろう」と言われたけれども、悪行は止まずますますひどくなった。

 天照大御神が神聖な機屋(はたや)におられて、神に捧げる衣服を(機織女に)織らせていた時、機屋の棟に穴を開け、尻尾から皮を剥いだ高天原のまだら馬を落したので、高天原の機織女は驚いて、梭(ひ)で陰部を突いて死んでしまった。
 これを見て、天照大御神は恐れて、天の石屋戸を開いて中におこもりになった。そのため高天原は真っ暗になり、葦原中国もすべて闇となった。こうして永遠の闇が続いた。そしてよろずの神の声は夏の蝿のように満ち、あらゆる災禍がいっせいに発生した。

 これを受けて八百万(やおよろず)の神が天の安の河原に会合して、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)の子、思金神(おもひかねのかみ)に考えさせ、常世(とこよ[永遠の世界])の長鳴鳥(ながなきどり)を集めて鳴かせ、天の安河の川上の高天原の堅い岩を取り、金山の鉄を採って、鍛冶師の天津麻羅(あまつまら)を探して、伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)に命じて鏡を作らせ、玉祖命(たまのおやのみこと)に命じて沢山の勾玉を通した長い玉の緒を作らせて、天児屋命(あめのこやねのみこと)・布刀玉命(ふとだまのみこと)を召して、天の香山(かぐやま)の男鹿の肩骨を抜き取り、天の香山のははか[朱桜]を取って[鹿の骨を焼いて]占い、
 天の香山のよく繁った賢木(さかき)を根こそぎ掘り起して、上の枝に勾玉を通した長い玉の緒を取り付け、中ほどの枝に八尺(やあた[大きな])の鏡を取り掛け
 下の枝に楮(こうぞ)の皮の繊維で作った白い布帛と青い麻の布帛を垂れ掛けて、これら種々の物は布刀玉命(ふとだまのみこと)が太御幣(ふとみてぐら[神聖なお供え物])として捧げ持って、アマノコヤネの命が祝詞を唱えて天手力男神(あめのたちからをのかみ)が戸の陰に隠れて立ち、天宇受売命(あめのうずめのみこと)が天の香山の日陰の蔓をたすきにかけて、天の真折(まさきのかずら)を髪にまとい、天の香山の笹の葉を束ねて手に持ち、天の石屋戸の前に桶を伏せて踏み鳴らし神がかりして、胸乳をさらけ出し裳の紐を陰部まで押し下げた。すると、高天原がとどろくばかりに、八百万の神が一斉に笑った。

 これを聞いて天照大御神は何事かと思われて、天の石屋戸を細めに開けて中から、「私が隠れてしまったので、天の原は自然と暗く、また葦原中国もすべて暗闇だと思うのに、なぜ天宇受売は舞楽をし、また八百万の神はみんなわらっているのか」と仰せられた。ここでアメノウヅメが「あなた様にも益して貴い神がおられるので、よろこんで笑い、舞楽をしています」と申し上げた。

 このように申し上げている間に、アメノコヤネの命・フトダマの命が鏡を差し出し、天照大御神にお見せした時、天照大御神はいよいよ怪しいと思われて、そろそろ石屋戸から出て鏡を覗かれた時に、隠れて立っていたアメノタチカラヲの神が天照大御神の手をとって外へ引き出された。ただちにフトダマの命が注連縄(しめなわ)を大御神の後ろに引き渡して、「これより内に帰り入ることはできません」と申し上げた。こうして天照大御神が出てこられると、高天原も葦原中国も自然と明るく照った。

 そこで八百万の神が皆で相談して、須佐之男命に千位の置戸(ちくらのおきど[罪穢れを祓い贖うために差し出す沢山の物品])を負わせ、また鬚と手足の爪とを切る祓いをさせて、高天原から追放してしまわれた。
終わり

 これが有名な天の岩戸のお話です。天照大御神に好奇心を持たせるためにした神々の仕草が大変面白いですね。
 そして物事を決定するのに、多くの神々が協議して決めるというところがまた注目できるところです。
posted by 小楠 at 07:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 古事記で見る日本
この記事へのコメント
 世界最強の日本刀のナノテクノロジーを抽出し先端技術を駆使して日立金属がSLD-MAGICという金型用鋼を開発した。これは韓国製鉄が出来ない優秀なハイテン(高張力鋼板)を切り裂いたり、曲げたりする金型に応用されている。こんなことが韓国では出来ないのは切れ味抜群の日本刀には日本のオリジナル技術がいっぱい詰まっているかららしい。

Posted by 朱鷺子 at 2008年10月21日 20:08
 世界最強の日本刀のナノテクノロジーを抽出し先端技術を駆使して日立金属がSLD-MAGICという金型用鋼を開発した。これは韓国製鉄が出来ない優秀なハイテン(高張力鋼板)を切り裂いたり、曲げたりする金型に応用されている。こんなことが韓国では出来ないのは切れ味抜群の日本刀には日本のオリジナル技術がいっぱい詰まっているかららしい。

Posted by 朱鷺子 at 2008年10月21日 20:11
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