2006年10月10日

米国教科書に見る日本3

 今回ご紹介する教科書は1982(昭和五十七)年の発行です。
ここではモンゴル民族によって文明民族が次々に侵犯されたが、日本は例外的であったとしています。

引用開始
『文明の発展』(The Growth of Civilization)
※元寇をまぬがれた文明国家
 中世のアジアにおいて、中東・インド・東南アジア・シナ、そして日本は、文明民族であった。これら文明民族のうちの三つは、野蛮民族の侵入によってゆさぶられ、あるいは破壊された。
 しかし、その中で野蛮民族の侵入を免れた国があった。それは島国日本であった。野蛮なモンゴルは、シナと朝鮮を征服し、その後1272年と1281年には二度にわたって、海を超えて日本侵攻を試みた。しかしその侵攻は、二度とも失敗した。

※初期の日本の宗教 Early Japanese Religion
 日本の最も古い宗教は、すべて事物や場所に魂が宿っていると考える。アニミズム(万物有霊観)であった。アニミズムは、太古における普遍的な文化であった。それがしばしば複数の神々を信ずるいわゆる多神教に転化していった。
 日本では、自然の中に宿る霊魂崇拝が神道となった。神道は“神々の道(the way of Gods)”を意味する。神道には、自然界の物象のみならず、祖先に対する崇拝心も含まれていた。この点で、我々は、シナ思想の影響も認めることができる。この祖先崇拝は、日本人の氏族関係をより強固なものとした。
 ここでは、やさしい太陽の女神・天照大神と、性質の粗暴な嵐の神・須佐之男命(スサノオノミコト)に関する日本の神話を読んでみよう。

※太陽の神と剣 The Sun God and the Sword
 天上界でも地上でも、須佐之男命が乱暴な攪乱者だということは、知られていた。須佐之男命は、特に姉の天照大神を悩ますことを好んだ。
 ある日彼は、いたずらの度を少し過したことがあった。まず大神の新しくできたばかりの庭園をこわし、稲田の畔道を踏みつぶした。大神はそれが弟の仕業と聞いて大層悲しんだ。彼女は一番深い岩屋の中に身をかくしてしまった。そして「私は決して外には出ない」と宣言した。

 太陽の神が岩屋の中にかくれてしまうと、地上は真暗になった。まもなく、地上のあらゆるものが枯死し始めた。
 他のすべての神々は心配して、天照大神のかくれた岩屋の外に集った。彼らは天照に対して、岩屋から出て下さい、と懇願に懇願を重ねた。しかし、大神は出ることを断った。そこで神々は一計を案じた。

 神々は岩屋の外に大きな鏡を置き、鏡の上に宝玉をかけた。それから、神々の一人が、ふざけた踊りを始めた。それは神々の笑いをさそった。
 神々の哄笑を聞いた天照大神は、「何事が起こったのか」と思った。彼女はそれを見ようと、岩屋の外に顔を出した。その時、鏡に映った自分の姿を見つけた。「この美しい方は誰かしら」と、いぶかしく思った。彼女はもっとよく見ようと、戸外に踏み出した。その時、他の神がすばやく岩屋を塞いでいた大石を転がした。かくして大神は再び岩屋に戻ることができなくなった。その後は二度と太陽が空から消え失せることもなくなった。

 そこで神々は須佐之男のいたずらを懲らしめるために、彼を高天原から追放した。追いやられた須佐之男は、日本の島に行きついた。
 ある日彼は、とある農家に出くわした。その中には農夫と妻と美しい娘がいた。彼らは家の中で嘆き悲しんでいた。須佐之男は「何事ですか?」と質ねた。老人は泣きながら語った。
「今晩、八つの頭を持った大蛇が来てうちの娘を食べることになっているのです」
 須佐之男はその恐ろしい怪物を退治することを約束して言った。
「八つの樽に酒を一杯につめて、残りは私に預けて置きなさい」
 その晩、大蛇は大きな唸り声をたてて、森の中から出てきた。大蛇が酒樽を見つけると、八つの頭の全部を出して酒を飲み始めた。やがて大蛇は、すっかり酔いつぶれてぶっ倒れてしまった。その時、須佐之男は走り出て八つの頭を切り落としてしまった。彼が大蛇の尾を切り開いた時に、中から宝石を散りばめた剣を見つけた。

 ずっと後になって、天照大神は、日本を統治するために、その孫を降臨(sent down)させた。その時、天照は孫に三種の神器を与えた。その三つの中の一つは、彼女が岩戸に隠れていた時、神々が外に設置していた鏡であり、二つ目はその鏡の上にかけていた宝玉であり、三つ目は須佐之男が、大蛇の尾からとった宝剣であった。

※日本における封建主義 Feudalism in Japan
 日本人は、天皇を一人の神(a god)として尊崇してきた。天皇は初代の天皇から常に一貫して一人の天皇が世襲してきた。しかし天皇は、大きな力を持たなかった。それは何故か。
 それは日本が特殊な封建組織を持っていたからである。日本の封建主義というのは、組織された相互防衛的社会(a way of organization and defending societies)であって、中央幕府は強い力を持たなかった。実際の力は、各大名の間に分割されていた。それぞれの大名は、自分の土地を持ち、農民は大名のために働いた。また大名は武士と足軽を持っており、武士は大名に対し、忠誠に生きた。・・・

 サムライは(封建社会の)力の原点であった。彼らは偉大な闘士であった。彼らは重い兜をかぶり、徒歩でも馬上でも戦うことができた。サムライは大名に対してきびしい忠誠を誓い、忠誠の法典を持っていた。それが武士道と呼ばれる武士の生き方であった。

 彼らは主君や家名のためには、いつでも死ぬ覚悟ができていた。武士道は、日本文化の上で、深い特徴を留めた。我々は「四十七人の浪人の物語」という有名な話を知ることによって、サムライをもっと学ぶことができる。ここで浪人というのは、主君を失ったサムライのことである。
引用終わり
引用書籍は「世界に生きる日本の心」からです。

 ここにも天孫降臨や天の岩戸、そして八頭大蛇退治の神話が、かなり詳しく紹介され、武士道のところでは、忠臣蔵の物語を引いています。
 これがアメリカの教科書であることに、何か複雑な気持ちになってしまいます。
posted by 小楠 at 07:58| Comment(8) | TrackBack(1) | 教科書に見る日本
この記事へのコメント
アメリカの教科書に書かれた遠い日本の歴史、その背景には歴史の浅い米国の素朴な憧れが出ている様に思われます。戦後GHQが行った日本の文化破壊は歴史を持たない国が持つ国への腹いせと言ってもよいと思います。その手先となった反日左翼や日教組が取り組んだ一番の矛先が教科書ではなかったかと。彼等の存在を許した現実が、今ようやく正される時期になったと思います。
Posted by カピタン at 2006年10月10日 13:28
私も日本の歴史には憧れと嫉妬があるように思います。厳しい掟があった武士や独特の文化には、特にそれを感じます。
しかし、20世紀史になると。。。
中学校で見る「日本」のビデオでは、相変わらず?ドラがジャ〜ン!となるんですよ。日本と中国と混ざっている処も見受けられます。
私達は先人が築いてきた文化を大切に次代に伝えていきたいものですね。
Posted by bubu at 2006年10月10日 14:28
今日ご紹介の須佐之男命のストーリーは小学校低学年(昭和34年〜36年くらい)に学校で映画を観せてもらって記憶してます。タイトルを失念してしまっているのですが、いまでも入手可能であれば子供たちに観せてやりたいな。岩戸のシーン、大蛇のシーン、列島創造のシーンすべてが表現されてました。
Posted by obara1999 at 2006年10月10日 16:22
カピタン様
>>反日左翼や日教組が取り組んだ一番の矛先が教科書ではなかったかと

真っ白な子供たちを亡国思想に染めようとするこれらの輩の勢力を、徹底的に弱体化させ、その嘘や言い換え、捏造を暴いて、日本国民から完全に無視されるように、少しずつでも訴えていきましょう。

bubu 様
>>中学校で見る「日本」のビデオでは、相変わらず?ドラがジャ〜ン!となるんですよ

そんなことまでしてるんですか、全く奴らのやることは姑息ですねー。
最近は、日教組による嘘の教育に気がついた卒業生が、その反動でより強い良識派日本人になり、反日や日教組を徹底して批判するという構図が多く見受けられるようですね。

obara1999 様
>>昭和34年〜36年
そうでしたか、その頃はまだ神話伝説もそのような形で知らされていたのですね。
言われる通り、そのようなビデオを再度作ってでも、子供たちに国づくり神話を伝えたいですねー。
Posted by 小楠 at 2006年10月10日 17:11
古事記の内容を史実として教えることには、多少、疑問が残りますが、現行の日本の歴史教科書よりは、遥かにマシかもしれませんね。
Posted by おしょう at 2006年10月10日 17:21
おしょう様
>>古事記の内容を史実として教えることには

そうですね、日本にはこのような建国神話があるということから、神話と、検証済みの史実とは分けて教えればいいと思いますが。到底今の反日の輩はこんなこと以前に、いかに日本を貶めるかの意図でしょうから、先ずはそれの徹底排除からでしょうね。
Posted by 小楠 at 2006年10月10日 17:41
気になって調べてみましたら、これかなと思われます。{『日本誕生』(にほんたんじょう)は、1959年10月25日公開の東宝製作の特撮映画 by Wikipedia}私は52年生まれですので符合します。DVDも出てるようです(ちょっと高かった)
Posted by obara1999 at 2006年10月10日 19:07
obara1999 様
あっ、そうでしたか、確か関取の朝潮だったかが出演してたのでは?
一度アマゾンで見てみます。
Posted by 小楠 at 2006年10月10日 19:25
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