「真珠湾の真実」ルーズベルト欺瞞の日々より。
スティネットは、ジョージ・ブッシュ前アメリカ大統領の下でアメリカ海軍の軍人として戦い、十度も戦闘功労勲章を受けて大統領特別感状にも輝いた第二次大戦の英雄であり、1986年に『オークランド・トリビューン』紙の記者をやめたあと、ひたすら「真珠湾の真実」を求めてその研究に従事してきた人物であり、またその間、日米戦争についてBBCなどの主要メディアでアドバイザーを務めてきた大戦史の権威の一人である。

引用開始
【米国・海軍作戦本部・1940年10月7日】
海軍情報部(ONI)極東課長アーサー・H・マッカラム海軍少佐は、1898(明治三十一)年、宣教師の両親の間に長崎で生まれ、少年時代を日本の諸都市で過ごし、英語よりも先に日本語が喋れた。父の死後帰国するが22歳で駐日アメリカ大使館付海軍武官として来日。
彼が作成した覚書は、米国の衝撃的な新しい外交政策で、それは日本を挑発して米国に対し、明らかな戦争行為をとるよう企図されていた。
著者は1995年1月24日、第二公文書館の軍事関係部門の記録グループ38(RG38)の特別米軍収納箱6号で、アーサー・マッカラム少佐作成の、日本を挑発して米国に対し明白な戦争行為に訴えさせるための、八項目の行動提案を発見した。
【マッカラムの戦争挑発行動八項目覚書】
・・・・米国と対立している日本の現状を分析すると、次のことが言える。
有利な点
(1)日本列島は地理的に強力な優位性を持っている。
(2)きわめて中央集権化された強力な政府である。
(3)厳格に管理された戦時経済体制をとっている。
(4)国民は苦労と戦争慣れている。
(5)強力な陸軍を有する。
(6)米海軍の約三分の二の兵力からなる熟練した海軍を有する。
(7)ある程度の天然資源の備蓄がある。
(8)四月までは天候により、日本近海での作戦行動が困難である。
不利な点
(1)アジア大陸での消耗戦に百五十万人が投入されている。
(2)国内経済と食糧配給が厳しく制限されている。
(3)戦争に必要な天然資源が大幅に不足している。特に石油、鉄及び綿花が不足している。
(4)欧州から資源を入手することが不可能になっている。
(5)必需物資を遠い海上交通に依存している。
(6)合衆国と欧州の市場に頼ることなく、軍事機材の生産と補給を増加させることができない。
(7)主要都市と工業地域は空襲を受けやすい立地条件にある。
・・・・われわれは、次の点でもきわめて有利である。
(A)フィリピン諸島は今もなおアメリカ合衆国が領有している。
(B)友好的で多分連合側に加わる国家の政府が、蘭領東インドを支配している。
(C)われわれと友好関係にある英帝国が、香港とシンガポールを領有している。
(D)中国の主力軍隊が今なお日本と戦い続けている。
(E)日本の南方補給ルートに対し、重大な脅威を与えることのできる、米海軍の小部隊がすでにその作戦海域にいる。
(F)米国と同盟を結んだら貴重となる、オランダ海軍の相当規模の兵力が東洋に駐在している。
現在の世論の情況からは、さらにより多くの騒動が発生しないかぎり米国政府が対日宣戦布告を出来るとは思えない。われわれの積極的な動きにより、日本が態度を変更することはほとんどない。従って、次の施策八項目を提案する。
【戦争挑発八項目】
(A)太平洋の英軍基地、特にシンガポールの使用について英国との協定締結。
(B)蘭領東インド(現在のインドネシア)内の基地施設の使用及び補給物資の取得に関するオランダとの協定締結。
(C)蒋介石政権への、可能なあらゆる援助の提供。
(D)遠距離航行能力を有する重巡洋艦一個船隊を東洋、フィリピンまたはシンガポールへ派遣すること。
(E)潜水船隊二隊の東洋派遣。
(F)現在、ハワイ諸島にいる米艦隊主力を維持すること。
(G)日本の不当な経済的要求、特に石油に対する要求をオランダが拒否するよう主張すること。
(H)英帝国が押し付ける同様な通商禁止と協力して行われる、日本との全面的な通商禁止。
これらの手段により、日本に明白な戦争行為に訴えさせることが出来るだろう。そうなれば、益々結構なことだ。いずれにしても、戦争の脅威に対応するため、われわれは十分に準備を整えておかなければならない。
十七年間にわたる公文書の調査及び米海軍暗号解読者たちとの直接インタビューの過程で著者が発見したとおり、ルーズベルトのジレンマを解決した答えは、情報の自由法に基づく請求により入手した途方もない数の文書の中に記録されている。
それらの文書には、アメリカを戦争に介入させ真珠湾及び太平洋地域の諸部隊を戦闘に叩き込むべく、明らかな戦闘行為を誘発するために計画、実施された、権謀術数の限りを尽くした措置が記述されている。
日本を挑発するために、ルーズベルトには八つの手段が提案された。彼はこれらの手段を検討し、すぐに実行に移した。第八番目の手段が実行されると、日本は反応してきた。・・・
引用終わり。
真珠湾はアメリカが日本を挑発した結果だということは、今では常識となっていますが、その挑発の段階的計画が書類で発見されたことは、それを客観的に裏づける証拠です。
このような当時の秘密文書が公にされるには60年以上が必要なんですね。
その60年間に当事国がいかにしっかり国体というものの考え方を維持しておくかと言うことは大変重要だと、つくづく思います。日本を正常に戻すために何年が必要になるでしょうか。
倫理観のみで「戦争=悪」と決めつけ、口先だけで「平和」を唱えても、いまだに世界中で紛争が起きていることを考えれば、いつまた日本が戦争に巻き込まれることやら…。また、ため息です。
ルーズベルトは、英国支援に必死で、もっと大切な防共の盾である日本を敵にするという大失敗をしたのでしょう。
その後の中共の成立、朝鮮戦争、冷戦の事実を見れば、マッカーシーの見識には共感致します。
あと、真珠湾陰謀説に対して、南京大虐殺などと同レベルの疑いの目を持ってもう一度冷静に接してみてください。恐らく「その説はトンデモ説であるという証拠=無かった証拠」がボロボロと出てくると思います。
ジョン・トーランドなどでは、事前に知らなかったという説になっていますね。
色々の説をまた掲載して見ようと思います。
>知らなかったという説になっていますね
トーランドは事前に知っていたと結論してますよ。が、専門家に根拠の矛盾などを指摘されて卒倒し、ピューリッツァー賞受賞者の面目を跡形もなく壊してしまいましたが・・・。
トーランドやスティネットに限らず、真珠湾の陰謀があったと結論している本の中で論破されずに残っているものは存在しないかと思います。
因みに上のマッカラムメモは「血の気の多いオヤジの落書き」程度の評価です。
>>トーランドは事前に知っていたと結論してますよ
あっ、そうでしたか、私が読んだ「大日本帝国の興亡@」では、ルーズベルトは確かに知らなかった。となっていましたが。
シンガポール方面と考えていたように書いていましたよ。
FBI及びオランダルートで情報が秘密裏に伝わったとしていますよ。
が、最終的には電波本認定されましたが・・・。百聞は一見にしかずなので、
トーランド読んでみてもいいかもしれません。が、嘘だらけの電波本なので時間の無駄かもしれませんが・・・。
色々有難うございました。
同じ課題も色んな方向から見てみます。
「検証・真珠湾の謎と真実―ルーズベルトは知っていたか」
秦 郁彦 (編集)
しかし、絶版となっているため、
入手は困難です・・・。
「電波本だから絶版になったんじゃないの?」と疑われるかもしれませんが、
須藤慎二氏、左近允尚敏氏、
今野勉氏、秦郁彦氏が客観的且つ
詳細に検証した傑作だと思います。
絶版になった理由は恐らく、事実を書くと今後、真珠湾をネタにした本が売れなくなるからとかそんな理由かと思われます。歴史本って事実を書いた本ほど売れないですからね・・・。
「川中島での一騎打ちなんて実は無かった」なんて本を書いても絶対売れないように・・・。
ご丁寧に有難うございます。
絶版ですか、ちょっと心当たりを探してみます。
小生は元大統領Herbert Hoover氏が著作されたFreedom Betrayedを熟読した結果、わが国はアメリカに嵌められて真珠湾を攻撃したことを理解できました。同様に、ブログ主様の文を読んで、アメリカ人の狡猾さに溜息をついた次第です。それにしても、次のことが言えると思います。すなわち、There is nothing in American History they can be proud of !