2006年09月26日

リンドバーグ日記最終

チャールズ・リンドバーグ著「孤高の鷲」下から最後の引用をします。
引用開始
【1944年】
7月22日土曜日

 今朝、爆撃された地域に関する報告が入ってくる。爆撃、砲撃に続いて歩兵部隊が出動した。彼らは「一弾も撃たずに」同地域を占領した。――ある洞窟では日本兵の死体が約四十個も発見され、「それよりかなり多数の身体の一部分」が散乱していた。
 わずかな生存者は茫然自失の状態で坐るか横になっているかして、アメリカ兵を目にしても身じろぎさえしなかった。第一報では一名だけ捕虜にしたとあったが、後刻、歩兵部隊の佐官将校が私に語ったところによれば、「一名も捕虜にとらなかった」という。「うちの兵隊ときたら全然、捕虜をとりたがらないのだ

7月24日月曜日
・・・・ 丘の斜面を降りて行くと、峠に差しかかる。そこには一人の日本軍将校と、十人か十二人の日本軍兵士の死体が、切り刻まれた人体だけが見せるような身の毛のよだつ姿勢で四肢を伸ばしたまま、横たわっていた
 彼らは峠の防衛線で倒れ、死体は埋めずに放っておかれたのである。・・・・そして同行の将校が言ったように、「歩兵はお得意の商売にとりかかったようだ」。つまり、戦利品として金歯をことごとくもぎとったというのである
・・・・・山道の片側にある爆弾でできた穴の縁を通り過ぎる。穴の底には五人か六人の日本兵の死体が横たわり、わが軍がその上から放り込んだトラック一台分の残飯や廃物で半ば埋もれていた。同胞が今日ほど恥ずかしかったことはない。敵を殺す、これは理解できる。戦争の欠くべからざる要素だ。敵を殺戮する最も効果的ないかなる方法も正当化されるだろう。しかし、わが同胞が拷問によって敵を殺害し、敵の遺体を爆弾で出来た穴に投げ込んだ上、残飯や廃物を放り込むところまで堕落するとは実に胸くそが悪くなる。

(南太平洋からの帰国後、チャールズ・リンドバーグは激務に追われ、日記は再び中断される。記入が再開されるのは1945年5月になってからで、リンドバーグはドイツ降伏の直後、海軍技術調査団の一員として渡欧の途に就く。旅行の目的はユナイテッド・エアクラフト社を代表して、ドイツの戦時中における航空機、誘導兵器等の開発状況を研究するためであった)

【1945年】
5月17日木曜日

 フランス軍が占領した数日後のシュツットガルトにいたアメリカ人技術者によると、フランス軍は略戒、強姦、殺戮をほしいままにしたという。が、フランス陸軍の一部をなす黒人部隊のそれは信じ難いまでに悪質だった。
 件の技術者は病院で十七回も凌辱された婦人患者を見ている。「シュツットガルトの女性は六歳から六十歳まで一人残らず凌辱されたと言って差支えない」。
 技術者の証言は後刻、アメリカ陸軍将校の話により一部が確認された。シュツットガルトでは六千件の強姦が報告され、市民はアメリカ軍がフランス軍と入れ代わるように懇願しているとのことだ。

5月19日土曜日
 ガルミッシュで駐留中の将校連や技術者と夕食を共にする。彼らは自ら私的にも公的にも“解放”したドイツ軍の装備類を話題に持ち出した。“解放”という言葉は、本国で使われる場合とはまったく意味が異なる。・・・
 当地のわが兵は略奪品を入手する方法を説明する場合に“解放”という言葉を用いている。GI用語でいえば、敵国の民家や個人から奪い去った物品は何もかも“解放”されたということになる。
 ライカ・カメラも“解放”の対象物なのである。(おそらく兵士が最も欲しがる品物であろう)。拳銃や食糧、美術品もそうである。代価を払わずに取り上げた物品はすべて“解放”されたことになる。ドイツ婦人を凌辱した兵士も、実は彼女を“解放”したのである。

6月3日日曜日
 ジープでヴェルダー湖に向う。戦前、ドイツを訪れた際に航空省研究部長だったアドルフ・ボイムカ―博士を探し出すためである。・・・・
 ボイムカーは明らかに、われわれの訪問を喜び、あらゆる点で協力を惜しまず、私が関心を持つに違いないドイツ科学者や技術者の名をあげたり、その居場所を教えたりした。・・・・
 論議は東ドイツとソヴィエトに及んだ。「ロシア人の宣伝ぶりは全く抜け目がない」とボイムカー。「ラジオ放送を一日中やっている。領内の諸施設がいかに再開されたか、ドイツ人の科学者や労働者がいかに好遇されているか、ということを盛んに宣伝する―――コーヒーや紅茶がたんまりあるとか、食糧が実に豊富だとか。自分としてはアメリカ人と働きたいが、若い連中のなかには早くも、機会があればロシアの占領地域に越境したいと口にする者さえ出ている」・・・

6月8日金曜日
 アウトバーンに出てライプツィヒに向う。・・・・デッサウのユンカース工場と隣接の飛行場は猛烈な爆撃を受け、建物の大部分は破壊されていた。・・・インメルマン通りにあるアウガスト・リヒト博士の家を訪ねる。
・・・・リヒト博士は許可が降りた場合のことを考えて早くも同僚たちに知らせるべく出掛ける一方、すぐ出発できるようにと家族には荷造りを命ずる。ソヴィエトの占領行政に直面する当地のドイツ人にとり、食糧や仕事に関するソヴィエトの宣伝はさほど効果を持っておらぬ。境界線を越えて、さまざまな噂話が流れ過ぎていた―――殺人、強姦、略奪の話などが。ドイツ人はおびえきっている。大半のドイツ人はアメリカかイギリスの占領地域に―――いや、フランスの占領地域にさえ―――脱出できるならばすべてを投げ出してもよいという気構えだ。・・・・

6月9日土曜日
・・・・ ユンカース幹部の語るところでは、ソヴィエト占領下にあるムルデ川の向う側については僅かな情報しか入手できぬが、漏れて来る話は「芳しくない」そうだ。「ロシア人は特に酔っ払ったときなど、ドイツ人を乱暴に扱う。男はパンツ一枚を残して身ぐるみ剥がれてしまう。立派な靴をはいていると、彼らの破れ靴と取り替えられてしまう」「ロシア人が入ってくれば、われわれは当地に残留しないだろうと思います」「出て行けるのですか」「いいえ、立ち退くことは出来ません。しかし、それでもわれわれは何とかして出て行くでしょう」・・・
引用終わり

 リンドバーグ日記からの引用、お読み頂いて有難うございます。彼は大変公正に客観的にこの大戦を記述していることがお分かりだと思います。
 日本軍だけに戦争犯罪を押し付けた連合軍のやっていたことは、まさしく戦争犯罪そのものです。
 その最たるものが原爆の投下でしょう。また、戦時のプロパガンダがいかに重要かは、今も我が国がそれによって困惑している事実をみれば明白です。世界の、特に近隣国の嘘を遺憾に思うよりも、日本には世界に対して正当なアピールを行う緻密で強力な施策あるいは部門が絶対に必要です。
posted by 小楠 at 08:18| Comment(4) | TrackBack(0) | 書棚の中のアメリカ
この記事へのコメント
日本における中世の内乱でも、兵士たちの恩賞は「略奪、強姦…」だったといいます。
逆説的になりますが、だからこそ、戦争に負けない備えは必要だと思うのです。
日本が今後、戦争に巻き込まれない保証はどこにもありません。
先の大戦においても、日本の軍人さんたちは、国の命令だからだけでなく、自分の愛する人たちを守るために尊い命を落としていったことでしょう。
そういう肝心なことを語り継がねば、いつかはバチが当たると思います。
Posted by おしょう at 2006年09月26日 23:17
おしょう様
>>日本における中世の内乱でも、兵士たちの恩賞は「略奪、強姦…」だったといいます。

そうでしたか、中世あたりだとそんなこともあるでしょうね。中国の軍隊は先の戦争でも、農民、住民からの略奪が当然の報酬だったようですね。

>>自分の愛する人たちを守るために尊い命を落としていったことでしょう

動機の原点はここだと思います。結果として国防につながる。これが自然ではないでしょうか。
Posted by 小楠 at 2006年09月27日 08:01
 中共のプロパガンダまがいの宣伝に引っかかっては、いけません(笑)。

  中世では、強姦が恩賞だった、というのは、珍左翼学者らの宣伝です。

  戦乱地の敵味方双方の資料らを観て下さい。

  強姦が恩賞だった;を一般化できる訳が無い事は、明瞭です。

 治安が極度に乱れると、そんな時は、日ごろから、戦時には、強姦が当然、などと主張している連中が、本当に強姦して回ろうとするものです。

  自分の特殊な心理性を一般化して観せる(他人に対して、というよりは、自分自身に対して、)ことで、自分の特殊な心理性を正当化しようとしているだけです。

  強姦その他での理由で、処刑された不届き者らについての、中世の資料らにも当たってみて下さい。

  日本の所々で、何らかの時代に、悪党働きがあった、という事をもって、
 日本一般に、心底からの倫理感が欠けていた、という事にはなりませんし、

 日本も悪だから、日本に対しては、どんな悪事を働いても好い、という趣旨の理屈で、自分達を正当化し続けている、
 中共や、アメリカの右翼の主張根拠を安易に是認すべきでは、ありませんよ。

 日本でも、同様の何々があった・・、は、あちらの連中が、自分達を正当化するための常套句です。

  しかも、日本人になりすなして、発言する手合いも多い(中国人留学生たち等)のです。

 ご慎重に!  
Posted by   諸哲通観 at 2010年05月25日 17:21
リンドバーグの書には他にも日本軍将兵への残虐行為が載っている。例えば、杭に縛り付けられた将校が首を切断されている状況など。欧米人は遺体への念が全く日本人とちがう。日本人の書物を見ると敵の遺体であっても敬意をもって処遇したことを記載しているものを見ること多い。それに対して欧米人は日本軍兵士の遺体の顔面に大便をする、というのが結構多いのである。
全く考えられない行為だ。従って残虐行為は人種差別とからんで日本人以上に多くのことをやっているはずだ。
Posted by さゆり at 2012年08月25日 13:40
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