2007年10月27日

日本を狙うソ連の手口

二大勢力の交叉接触点日本

 今回は「徳富蘇峰終戦後日記2」をご紹介しています。以前にご紹介した「徳富蘇峰終戦後日記」の続編で、「頑蘇夢物語」続編として06年12月の発行となっています。
写真は労働者による生産管理を要求する炭鉱労働者
ganso10.jpg

引用開始
(昭和21年5月23日午前)
 米国の日本に対する意図は、概して忖度が出来る。しかしソ連の日本に対する意図に至っては、それが頗る困難。何故なれば、ソ連の心理的作用は、我等の常識判断では往々食い違いがあるからである。要するに米国も日本を恐れている。ソ連も怖れている。この点については間違いない。ただソ連は米国よりも深刻に且つ痛切に日本を恐れている。これは恐らくは、明治37、8年の役に於ける苦き経験に在るものと察せらるる。必ずしもそれのみとはいわぬが、それがソ連をして日本を恐怖せしむる重もなる動機となった事は疑いを容れない。
 日本から武器を取り上ぐるという点については、米国もソ連も同様である。ただ取り上げた後に、日本に対する態度に於いて、両者の間に相当の隔たりがあると思われる。一言すれば、米国はまず第一、日本を米国に対して無害ならしめ、次には有利ならしむる積りであろう。即ち日本を、東亜に於ける米国の市場たらしむる事もその一つであるが、それよりも米国の東洋全面に於ける通商貿易に於て、日本をその競争者ではなくして、その特定売捌人とか、予約請売所とか、もしくは支那の言葉でいえば、買弁たらしめんとするものであろう。それで日本から戦争の用具は勿論、戦争そのものに対する気持ちさえも取上げて、全く平和の国民となし、その上は日本を米国の手先に使用せんとする積りであろう。

 ところがソ連は全くそれに反している。
 ソ連は、日本は現状のままでは到底済度が出来ぬものと考えている。それでローマがカルタゴをやり付けた如く、日本を立つ事も、葡う事も出来ず、全く抜本的に日本をやり付けてしまう積りであろう。即ち米国は日本を利用せんと欲している。ソ連には恐らく今日の所、日本を利用するの意図はあるまい。今日では日本の復讐を懼れている事が精一杯であろうと思う。
 そこでソ連は、むしろ日本の内乱を希望している。むしろ日本人相互に殺戮し合って、日本を沙漠の如く、一木一草さえもなからしむる位に荒らしに荒らして、出来得べくんば大和民族の潰滅、然らざれば衰弱を期待しているものと思わるる。
続きを読む
posted by 小楠 at 07:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 書棚の中の国際関係