2007年09月05日

南京攻略特派員特電3

朝霧の中に焔の常熟

以前に昭和十二年十二月十八日発刊の、「各社特派員決死の筆陣『支那事変戦史』」という本をご紹介しましたが、今回からはその後編のご紹介をします。こちらは昭和十三年十二月七日発行で、前編と同じく約750ページにもなる分厚い本です。昭和十二年十一月の杭州湾敵前上陸から南京戦そして十月末の広東入城ころまでの特電を集めたものです。
今回は同盟や報知特派員の特電と例の浅海特派員の特電を引用してみます。

写真のキャプションは常熟へ前進
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引用開始
常熟にて十一月二十日、東日・大毎
【浅海特派員】

 敗戦支那軍が最後と頼む堅城の一つ常熟は十九日遂に陥落した。十三日揚子江岸に敵前上陸して以来辛苦を重ねた○○部隊の努力はついに報いられたのだ。十九日未明両三日来の雨で水は膝を没する塹壕から起ち上った各部隊は一斉に進撃に移った、蜿蜒(えんえん)十余キロにわたる常熟包囲陣の総攻撃だ。耳を裂けんばかりの銃砲声の中に佐藤、高橋、永津の各部隊は常熟東北方から背後、名山虞山めざして突撃、逃げ惑う敵を猛追撃、息もつがせず常熟城の北角をかすめて虞山の山麓に駆け上り輝く日章旗を揚げた。
 続いて血みどろの○砲の引揚げが敢行され雨の中に燃える常熟城に向って痛快極まりなき釣瓶撃ちに城内の支那軍は右往左往の大混乱に陥り、各所に火災さえ起って、さしもの名城も断末魔の喘ぎにのたうち廻るようだ。見れば城壁の西方には友軍○○部隊の勇士等が日章旗を翻して雲霞のように押寄せている。後方からの砲兵の掩護射撃はここから見れば百発百中、支那最後の抵抗線は虱潰しに破壊され、○○部隊の第一線は潮の充ち渡るように前進また前進して行く。
 午前七時半早くも城壁東隅には第一の日章旗が立てられ、つづいて第二第三の日章旗が城内深く突入するのが見える。わが○○部隊の勇士等は一本の日章旗を見る毎に万歳の絶叫だ。見れば城の南側は混城湖、虞山の西方には尚湖が朝靄の中に煙る。常熟城は炎の中に全くわが軍の手中に納められ、山上からも城内からも万歳の嵐が天地をゆるがすのであった。

蘇州城遂に皇軍の手に
【上海東日大毎特電十一月二十日発】

 わが軍は十九日午前七時遂に蘇州城を占拠した。
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posted by 小楠 at 07:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 書棚の中の支那事変