2007年05月21日

米国製憲法強要事情1

米国製憲法という疑い

 順序を無視して最終部分をまず最初に引用したいと思います。引用するのは、児島襄著「史録 日本国憲法」です。奥付には昭和四十七年第一刷、昭和五十年第六刷となっています。
 この本の最後の部分に、著者は『どのような憲法論議を進めるにあたっても、先ずは「日本国憲法」の成立の事情を明らかにすることが、出発点と思われる』と書いています。
 著者が貴重な御教示と資料の提供を受けたとされる人名を挙げると、入江俊郎、牛場友彦、大石義雄、木戸幸一、佐藤達夫、佐藤朝生、白州次郎、高木八尺、松本重治、福島慎太郎、楢橋渡、細川護貞、三辺謙、清宮四郎、河村又介、宮沢俊義、松本正夫、岩倉規夫、山本有三、田中耕太郎、ヒュー・ボートン、チャ−ルス・ケーディス、セオドア・マクネリー、フランク・リゾー、ジャスティン・ウィリアムズ、となっています。
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引用開始
 閣議が終わったのは、午後九時(昭和二十一年三月五日)そして、直ちに入江法制局次長を中心にして、内閣書記官長室で「要綱」作成作業がはじまった。“総司令部憲法案”の字句を修正するのだが、原本の英文を動かさずに日本文の表現を整えるのである・・・・
 翌日、三月六日午前九時から閣議が開かれ、「要綱」の審議がおこなわれたが、午前十時すぎ、ハッシー海軍中佐が英文の“総司令部憲法案”十三部を持参して、公式の英訳である旨の確認の署名を、楢橋書記官長に求めた。
「これからワシントンに行く。極東委員会十一カ国に一部ずつ、米政府に一部、日本政府に一部、合計十三部の署名をもらいたい」
 ハッシー中佐はそう述べて、楢橋書記官長の署名が終ると、一部を残して、そそくさと辞去した。・・・・・

 「要綱」の審議は、午後四時すぎに終り、政府は午後五時、次のような勅語とともに発表した。
「・・・国民の総意を基調とし人格の基本的権利を尊重するの主義に則り、憲法に根本的改正を加え、以て国家再建の礎を定めんことを庶幾(こいねが)う。政府当局其れ克(よ)く朕の意を体し、必ず此の目的を達成せんことを期せよ」
 マッカーサー元帥も、用意していた声明を発表した。
予は日本の天皇ならびに政府によって作られた、新しく且つ開明された憲法が、日本国民に余の全面的承認の下に提示されたことに、深い満足をもつものである・・・」
 幣原首相も、談話を発表した。
「畏くも天皇陛下におかせられましては・・・非常なる御決断を以て、現行憲法に根本的改正を加え・・・民主的平和国家建設の基礎を定めんことを明示せられたのであります・・・茲に政府は、連合国総司令部との緊密なる連絡の下に、憲法改正草案の要綱を発表する次第であります」
 そして、八日、松本国務相も記者会見で――
「(議会の修正権について)従来、私の考えていたのは一部改正としての修正権で・・・この度のように憲法の全部改正については、充分議をつくして考えていなかった・・・・」
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posted by 小楠 at 07:03| Comment(4) | TrackBack(3) | 米国製憲法強要事情