2007年04月05日

対中ODA中止の抜け穴

アジア開発銀行の対中融資は増加

 青木直人氏の著「中国に喰い潰される日本(チャイナリスク)」から少しご紹介します。青木氏は常に報道では隠されている日中の重要な部分を分りやすく発表され、聞くたびに政治家、官僚、マスコミがいかに日本人を裏切っているかに憤りを感じずにはおれません。

引用開始
 いまや中国に対する援助中止や削減が世界的な流れである。だが、これに逆らうかのように中国向け融資を増やし続けている唯一の国際援助機関がある。日本が最大の出資国であるアジア開発銀行(ADB)で、その対中融資はさらに増加の一途をたどっているのである。
 ADBは日本が米国と並ぶ最大の出資国(16%)で、世界銀行が米国の支配下にあるように、同行は日本政府、なかでも財務省の影響力が圧倒的な国際団体だ。創設も日本政府の主導だったし、人事にしても歴代の総裁はすべて日本人で占められている。現八代目総裁の黒田東彦氏も元財務省の国際金融キャリアである。・・・・・

 だがそうなると素朴な疑問が浮かんでくる。日本の外務省がかかわる中国ODAは廃止と縮小の方向が確定しているのに、なぜ同じ日本の役所である財務省が資金と人事を握るADBの中国援助は増えているのだろうか、ということである。誰が考えても面妖な話である。
 これでは日本政府の一貫した整合性のある対中国援助戦略はどこからも浮かんでこない。ODAはやめるが、ADBの融資は増やしましょうというのでは、両足を一緒に前に出して歩きましょうというようなものだ。援助額だけではない。融資の中身を見ても、ODAとの統一性や連動性が感じられないのだ。

 具体的に説明したい。円借款ではすでに中国国内の交通インフラ整備は援助対象にはなっていない。2001年度を最後に、以後、援助案件から姿を消した。・・・・
 だが逆にADBの中国支援の中身を見ると金額だけでなく、円借款が中止したこの道路や鉄道建設分野への支援がうなぎのぼりなのであるそれもODAで政府の自助努力が謳われているはずの商業ベースに乗らない内陸地域のものが圧倒的なのだ。・・・・・

東アジア共同体志向のADB歴代総裁

参考記事
 ADBの中国融資のめり込みの理由は、まず歴代ADBの総裁たちの中国認識があげられる。具体的に言えばその「東アジア共同体」志向が問題なのである。この点は、近年、急速に中国との金融協力を本格化しつつある財務省自体の姿勢も大きな影響をもっている。
 ADBの現総裁は黒田東彦氏だが、彼は2005年4月にフィリピンで開かれた総会の際に、取材につめかけた記者に中国観を聞かれて「中国は覇権主義的ではない」と言い切り、メディア関係者の話題になった人物だ。・・・・
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posted by 小楠 at 07:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 書棚の中の日中関係