2007年04月02日

狙われる中国駐在員

盗聴に無警戒な日本の大使館

 青木直人氏の著「中国に喰い潰される日本(チャイナリスク)」から少しご紹介します。青木氏は常に報道では隠されている日中の重要な部分を分りやすく発表され、聞くたびに政治家、官僚、マスコミがいかに日本人を裏切っているかに憤りを感じずにはおれません。
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引用開始
 大使館の警戒感のなさはすでに骨絡みだ。一例を挙げれば、第八代中国大使だった國廣道彦氏のケースが典型的である。彼は盗聴が確実に行われていることが明らかな病院内の電話を使って、日本国内に公的連絡を行っていた。
 彼が入院した日中友好病院は日本の援助で1984年に建設され、現在まで技術協力などの日本の援助が実行されている高級病院である。
 日本の援助団体は友好病院を「成功例」として持ち上げるが、この病院の最大の特徴は医療費が普通の民間病院の三倍近くもすることだ。もちろん医療水準の高さも一因なのだが、そのため共産党の高級幹部専用医院との陰口がささやかれ、事実、一般病棟とは別に「外人高幹専用」の病棟がある。
 私も何回か取材で訪れたことがあるが、院内はともかく敷地内も警戒が厳重で、うかつに写真一つ撮れない。撮影済みフィルムを抜かれそうになったこともある。いずれも共産党の実力者が通院しているためだ。そうした病院内には間違いなく盗聴器がついている。だがそのことに日本の大使は無警戒だった。

 中国の公安情報機関が日本に限らず、国内にある各種の外国機関に対して日常的に盗聴を行っているのは常識である。大使館、領事館、JETRO(日本貿易振興機構)など準政府機関、テレビ、新聞などの駐在マスコミ支局、大手進出企業のオフィス、もちろん個人の自宅も当然のように盗聴されている。対象は電話、ファックス、Eメール、郵便物など通信全般にわたる。また雇用している中国人の運転手やメイドも情報関係者とつながりをもち、定期的に報告の義務をもつ。・・・・

中国の代弁をする元日本大使

 2006年1月9日、北京で開催された日中政府間協議の席でも中国外務省の崔天凱アジア局長は、「日本のマスコミは中国のマイナス面ばかりを書いている。日本政府はもっとマスコミを指導すべきだ」と発言、日本側に対して中国報道の規制を要求した。
 日本の外務省は直ちにそれは無理と反論し、日本の世論もあきれかえったが、実はかつて、中国政府のこういう期待に応えて、日本の報道を叱りつけた元大使がいる。外務省のチャイナスクールの代表的人物でもあった第五代大使の中江要介氏である。

 彼の発言は2002年6月8日付の『朝日新聞』の「私の視点」に掲載された。(「瀋陽事件 独断と偏見目立つ報道も」)。
「人権を守るという目的のために、外国公館の目と鼻の先で公館出入り者を盗み撮りするという手段は目的のためには手段を選ばず、との謗りを免れ得まい」・・・・・
 中江元中国大使が批判したのは北朝鮮の残酷さや無法ぶりではなく、記者の「盗撮」行為だった。「これは目的のためには手段を選ばない」ものだと。日本だけではない。国際的にも注目され関心を集めたスクープ映像に反発する中国政府の本音を、日本の元大使が代弁したのである。
 だが誰でも知っているように、中国で自由な報道は許されていない。子供でも知っている事実である。だから記者はこうした手段をとるしかなかったのだ。・・・・・
 彼はあの天安門事件の際も、中国政府の暴力的な鎮圧に抗議した国際世論に対して、「日本は日中戦争のころを省みて、いまの中国を非難する資格のあるくらい人権を尊重した国であったのか」とひたすら中国政府を弁護し続けた外交官でもある。・・・・
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posted by 小楠 at 08:00| Comment(4) | TrackBack(2) | 書棚の中の日中関係